個人再生は借金を減らすための債務整理の方法の中でも独自のメリットが多い
2023年06月27日 18時34分
債務整理の方法の中でもっとも利用率が高いのは任意整理です。また知名度という意味では債務整理と聞けば自己破産を連想する人も多いことでしょう。
しかし債務整理の方法の中で、利用率や知名度は低いものの大きな効果を持つものに「個人再生」があります。
個人再生は利用するためにはいくつか条件が必要になりますが、受けられる恩恵も大きいため債務整理の際には選択肢の一つとして考えておきましょう。
債務整理における個人再生の特徴
個人再生では借金を最大「5分の1」まで圧縮することが許されています。
任意整理では個別の交渉によって借金を減額することはできますが、個人再生ほど大幅な圧縮は見込めないため多額の借金を抱えている人にとっては個人再生の方が有効になります。
また個人再生のもう一つの特徴として、一定条件を満たせば住宅や自家用車を手放さなくても済むという点が挙げられます。
自己破産をすると借金は帳消しになりますが、その代わり財産のほぼ全てを手放すことになります。
一方の個人再生では財産を残したまま借金を圧縮し、生活基盤を保ったまま返済計画を立てることが可能です。
つまり個人再生は任意整理と自己破産のメリットを半々に享受することができる債務整理と言うことができるでしょう。
個人再生を受けるための条件
個人再生を受けるためには裁判所から正式に認可される必要があります。
つまり弁護士や債務者といった当事者間でのやり取りだけでは個人再生を行うことができないため、必然的に手続きは長引き複雑化します。
そのため債務整理に詳しい法律の専門家の力を借りないと、個人再生を円滑に実行することは非常に難しいと考えておくようにしましょう。
また個人再生を行うと信用情報に記載されるだけでなく、官報にも名前や住所が掲載されてしまいます。
官報の情報がそのまま日常生活に影響することは稀ですが、信用情報と合わせて雇用などにおいて不利益が生じる可能性は否定できないでしょう。
そして個人再生を受けるに当たって一番重要になるのが返済計画を遵守する必要があるという点です。
継続的に収入を得ながらそれを返済に当て続ける根気強さが求められるため、単に借金を減らして楽をしたいといった目的で個人再生を利用することはお勧めできません。
個人再生は数ある債務整理の中でもメリットの多い方法となっています。
特に家や仕事といった生活を支える要素を守ったまま借金を返していくことができるのは社会人にとっては大きな魅力です。
ただし個人再生を受けるためには裁判所の認可を勝ち取り、その後も返済計画に真面目に従いながら働くことが求められます。